「もう限界かもしれない…でも、せめて一年は続けないと」
そんな思いを胸に、毎朝重たい足取りで会社に向かっていませんか?
結論から言えば、「一年耐えるべきかどうか」は、あなたの今後のキャリアにとって“意味ある時間”になるかどうかで判断すべきです。
この記事では、仕事を一年耐えるかどうかを見極める「5つの判断基準」と、耐えることによるメリット・デメリット、そして迷ったときの具体的な対処法までを解説します。
さらに、どうしても答えが出ない時に頼れる相談先についても紹介します。
今の仕事にモヤモヤを感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
仕事への向き合い方が変わるきっかけとなるかもしれません。
仕事を一年耐えるべきかどうかの判断基準5選
仕事を一年続けるか、それとも辞めるか。この問いに「正解」はありません。
ただ、少なくとも「納得のいく判断」を下すための基準は存在します。
仕事において明確な目標があるか
もし今の仕事を通じて「こうなりたい自分」が見えているなら、あと数ヶ月踏ん張る価値は十分にあります。
たとえ現状が苦しくても、明確な目標があるなら、悩みもがいた経験は後になって役に立つからです。
ただ、言われた通りに仕事をこなすのではなく、「なぜこの仕事が必要なのか」「より良くするには」と考えて行動することで、目標達成に近づけます。
逆に「何を得たいか」「どこに向かっているか」が見えない状態で1年を迎えると、ただ時間を消耗するだけになりがちです。
「まずは今月中に、1つ“できること”を増やす」と自分に課せるか──そこに耐える意味があります。
得られるスキルはあるか
日々の業務で「この経験、きっと将来役に立つ」と思える瞬間があるなら、それは留まる十分な理由です。
とくに1年目は、専門スキルと社会人基礎力の“土台づくり”の期間です。
たとえば、Webマーケティング志望なのに対して営業配属であっても、顧客理解や傾聴力、提案力は、今後のキャリアの武器になります。
「ここでしか得られないスキルがある」と思えたら、今の職場であと3か月は頑張ってみましょう。
職務経歴書に書ける実績を残せるか
次のキャリアを考えるなら、“1年で何を達成したか”は想像以上に重要な意味を持ちます。
多くの採用担当者は、「1年未満で辞めた理由」よりも、「1年で何を残せたか」に注目します。
売上、提案件数、改善実績など、定性的・定量的に示せる成果があるかどうかが、転職市場での評価を左右するのです。
今のあなたが「実績と呼べる何か」を残せているかどうか、それが耐えるか否かの分かれ道になります。
尊敬できる・頼れる人が社内にいるか
質問できる人、相談できる人が「いる」と思えるだけで、仕事の苦しさはずいぶん軽くなります。
タイミングを見計らって話しかけた時に、真正面から応じてくれる先輩や上司がいるなら、その職場は居心地の良い場所といえます。
一方、誰も頼れない環境にいると、仕事のミス・悩みについて一人で抱え込むことになり、心がすり減ってしまいます。
「一言でも話しかけられる人がいるか」を確認してください。一人でもいれば、もう少し頑張ってみてもいいかもしれません。
身体と心が限界を迎えていないか
大切な判断基準として、心身ともに健康であるかどうかも確認しましょう。
朝起きるのがつらい、何もしていなくても涙が出る、胃の不調や頭痛が続いている……それはあなたの心身が限界に近づいているサインかもしれません。
無理を続けて倒れてしまっては、仕事で1年耐えた意味も失われてしまいます。
もし今「もう限界かもしれない」と少しでも感じるなら、まずは誰かに話してみてください。
あなたの体と心を守れるのは、あなただけです。
仕事を一年耐えるメリット
「この仕事、本当に自分に向いているのかな…」 誰にも言えない不安を抱えながら、今日も会社に向かうあなたへ。
苦しい今を「あと少し」続けることで得られる3つの大きなメリットをお伝えします。
社会人として精神的に成長できる
1年間働き続けることで、確実に“精神的な耐性”を得られます。
とくに、入社直後の1年は、学生の頃と違い、仕事や人間関係において予想外のプレッシャーが降りかかる時期です。
ここで培った経験は、単なる「辛かった記憶」ではなく、次に立ち向かう力に変わります。
失敗しても立ち上がる、うまくいかなくても粘る──こうした行動の積み重ねが「やればできる」という実感を育ててくれます。
この“最初の壁”を越えることで、今後立ちはだかる試練を乗り越られる力が身に付きます。
貯蓄ができて余裕が生まれる
1年間働けば、貯蓄ができて金銭面で余裕が生まれます。
少しでも貯金ができれば、退職後に転職するにしても、自分のペースで準備できます。
一方、貯金がないと在職しながらの転職活動しか選択肢がなくなります。
職場の同僚からの視線が気になり、思うように転職活動に打ち込めなくなるかもしれません。
収入の心配をせずにじっくり仕事選びをするためにも、1年間働き切る価値は十分にあります。
仕事の向き不向きがわかる
「やっぱりこの仕事、向いてないかも…」と思っても、その判断が本物かどうかは、一定の期間を経なければ見極められません。
1年間という時間の中で、業務の全体像が少しずつ見えるようになります。
たとえば、「営業が合わない」と思っていたけれど、お客さまに褒められた瞬間「人に感謝される仕事は好きかも」と気づくなど、新たな一面に出会えることもあるでしょう。
また、部署や上司との相性、自分の得意なタスク、ストレスの原因なども見えてくるため、次のキャリア選択の軸を持つことができるようになります。
まずは1年という時間で、向いている仕事・向いていない仕事を見極めていきましょう。
仕事を一年耐えるデメリット
仕事を一年耐えることは自分自身を成長させるきっかけとなる一方、今後のキャリアに悪影響を及ぼすデメリットもあります。
時間を無駄に過ごす可能性がある
「せめて一年は続けないと…」と思っていても、漫然と過ごしているだけでは意味はありません。
成果の出ない業務や、学びがほとんどない毎日をただ繰り返しているだけなら、それは時間を浪費していることと同じです。
とくに、新卒の一年目は、吸収力も高く、キャリアの土台を築く大切な時期です。
にもかかわらず、単調なルーティンや与えられた業務だけをこなしていては、スキルも自信も身に付きません。
「一年耐えた」という事実は履歴書に残っても、何一つ実績として語れるものがない状態になります。
上司からの評価に悪影響を及ぼす
一年間ただ耐え抜いただけで、成果を何一つ挙げていない場合、むしろ評価を下げる材料になり得ます。
職場では、仕事に対する姿勢や成果で周囲の印象が決まります。もし「やる気がなさそう」「指示待ちばかり」と見なされれば、次のチャンスや育成の優先度を下げられる可能性が高いのです。
さらに、評価が低い状態が続くと、任される仕事も減らされ、負のスパイラルに陥ります。
そのまま二年目に入り、“空気のような存在”になってしまえば、巻き返しはより難しくなるでしょう。
単に“辞めない”よりも、“どう動いたか”が見られています。
身体と心を壊すリスクがある
「あと少し耐えれば…」そうやって自分を奮い立たせ続けていると、心身ともに壊れるリスクがあります。
なぜなら、“限界を超える我慢”は、心身に確実にダメージを残すからです。
朝起きるのがつらい、会社に近づくほど気分が沈む、眠れない、食欲がない。
そんな小さな不調は、心が悲鳴を上げているサインです。
見て見ぬふりをして我慢を続ければ、うつや適応障害などで心も体も壊れ、その後のキャリア形成に悪影響を与えるかもしれません。
仕事を一年耐えるべきか迷ったときの対処法
仕事を一年耐えるべきかどうかの悩みから抜け出せないなら、誰かに相談するのがおすすめです。
信頼できる先輩・上司に相談する
まずは、身近な「信頼できる人」に話してみることです。
なお、悩みを打ち明ける相手は、“気持ちを否定せず受け止めてくれる存在”であることが理想です。
気心の知れた先輩・上司に今の悩みを打ち明けてみましょう。
同じ悩みを抱えた過去があり、どのように解消したか、その経験を話してくれるかもしれません。
また、話すだけでも気持ちが軽くなることもあります。職場に頼れる人がいるなら、一度相談してみましょう。
転職エージェントに相談する
「辞めたいけど、本当に辞めていいのか分からない」――そんなときは、まず転職エージェントに“相談だけ”してみるのも有効です。
無料で、キャリアの棚卸しや今の市場価値、転職理由の整理などを相談できます。
また、無理に転職を勧めるのではなく、「転職のデメリット」「現職に残るメリット」など、冷静な情報提供をしてくれる良いエージェントに当たることもあります。
ただし、転職エージェントは紹介料を企業からもらうことで利益を上げているので、転職前提で話を進められる可能性もあります。
遅かれ早かれ、転職を考えている人におすすめの選択肢です。
キャリアコーチングを受ける
「仕事に嫌気が差しているが、どうしたいか分からない」――そんなときに頼れるのが、キャリアコーチングという選択肢です。
キャリアコーチは、あなたのこれまでの経験や感情に耳を傾けたうえで、将来の方向性を一緒に整理してくれる“伴走者”です。
転職エージェントと違い、転職前提ではないキャリア設計やライフスタイルの見直しにも応じてくれます。
自己分析や価値観の棚卸しを進めていく中で、「本当に大切にしたいこと」「得意なこと」「働き方の理想像」が見えてくるはずです。
「どこを目指しているのか分からない」と感じたら、キャリアコーチへの相談を検討してみてください。
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まとめ
仕事を一年耐えるべきかという問いに対して、一律の正解はありません。
目標や身に付くスキル、心身の状態といった観点から、「あと少し頑張る意味」があるのか見つめ直すことが大切です。
目指す姿や得たいスキルが明確なら、苦しい現状にも価値を見出せます。また、相談できる人の有無も判断材料になります。
逆に、心や体が限界に近づいているなら、耐えることが最善とは限りません。
もし迷いが拭えないなら、信頼できる人やキャリア相談のプロに相談し、自分ひとりで抱え込まないでください。
「続ける」も「辞める」も、自分自身が納得して選ぶ道なら、それが「正解」です。